R&D
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日本人DNA多型データを用いた日本人のための疾病リスク予測モデルの研究

目的

日本人のDNA多型データを用いて、さまざまな体質や疾患リスクに関する予測モデルを構築することを目的とする。

概要

MYCODE会員にインターネットによるアンケートに任意に回答いただき、DNA多型データと合わせたゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施する。この解析から、まだ知られていない日本人の体質や病気に関わるDNA領域を探索する。 アンケート項目は、インフルエンザの罹患や重症化、ドライアイ、コーヒの摂取傾向などであり、項目は今後も追加される予定。

以上に基づき、現在2つの研究が完了している。

①インフルエンザのかかりやすさと遺伝要因の関連性

近年着目されている感染症への罹患は、遺伝要因と環境要因が複雑に影響していると考えられている。そこで、一般的な感染症の一つとしてインフルエンザのかかりやすさへの遺伝要因への関与を調査するため、過去4シーズン中3回以上インフルエンザに罹患した方と、一度も罹患していない方を対象としたGWASおよびパスウェイ解析を行った。

②研究参加行動と遺伝要因の関連性

医学・生命科学の発展は一般市民の研究協力に依るところが大きく、研究参加行動の心理的背景の理解は重要な課題である。そこで、「MYCODE Research」のウェブアンケートに参加経験のある方と、参加経験のない方を対象としたGWASを試みた。

研究結果

①PTPRC遺伝子領域(※)や、NotchシグナルやB細胞シグナルの関与が示唆され、インフルエンザには免疫応答の関与を支持する結果であった。インフルエンザ感染対策への応用が期待される。

②朝型・夜型の特性や、メンタルヘルスとの関連が報告されるZCCHC7遺伝子領域との関与が示唆され、研究参加行動に関連すると考えられる几帳面さや協調性などの性格的特徴との共通性が考察された。

(参考:http://www.congre.co.jp/jshg2020/)
(※)TおよびB細胞抗原受容体シグナル伝達に関わり、リウマチ関連遺伝子としても知られる遺伝子領域

対象者

遺伝子検査お申し込みの際に研究参加同意をいただいているMYCODE会員

共同研究機関

東京大学医科学研究所